2026/09/09

カホンはドラムの代わりになるか?王道フレーズ叩き比べ #08【タム回し編】

「ドラムのフレーズをカホンでどこまで表現できるか?」を検証する叩き比べシリーズ!

第8回目のテーマは、ドラムのフィルインの王道中の王道、【タム回し】です。

ドラムセットなら「スネア → ハイタム → フロアタム」と叩くことで、高音から低音へドラマチックな音程変化を生み出すこのフレーズ。

打面が基本的に1つのカホンで、一体どのように再現するのか?

そのテクニックと裏側を徹底解説します!

まずは動画で、ドラムとカホンの奏法の違いを比べてみてください。

◆ドラムとカホンの手順比較

まずは手順の比較です。

ドラムの手順: R L R L R L R L

カホンの手順: R L R L R L R L + heel(かかと)

手の動き(左右交互)自体はドラムもカホンもまったく同じですが、カホンには「足(かかと)」という決定的な要素が加わります。

◆【ここに注目!】カホンでタム回しを再現する2つの裏技

カホンでドラムのような音程の変化を表現するために、今回は2つのテクニックを組み合わせた「合わせ技」を使っています。

① かかとを押し当てる「ピッチベンド」

打面にかかと(heel)を押し当てた状態で叩くと、音程がキュッと高くなります。

そこから手で叩きながらかかとを押し当てる強さや位置をコントロール(ミュート・加圧)することで、カホンの音程を自由に変える「ピッチベンド」効果を生み出します。

☆音程を高くしたい時(ハイタム風): かかとをしっかり押し当てる

☆音程を低くしたい時(フロアタム風): かかとを離して素の低音へ落とし込む

② 打つ位置を移動させる「ポジション移動」

さらに、打面を叩く位置も工夫しています。

カホンの打面上部(高音部)からスタートし、叩き進めながら徐々に真ん中寄り(低音部)へ位置を落としていきます。

◆まとめ:音程変化の「ダブルの掛け算」

「かかとによるピッチベンド」×「打面上部から真ん中へのポジション移動」

このダブルのテクニックを同時に行うことで、1枚の打面でありながら、まるで複数のタムを順番に叩き降ろしているかのような滑らかな音程変化(タム回し)をリアルに表現することができます!

片足でバランスを取りながらの演奏になるので、体幹の強さが必要になり少しコツがいりますが、マスターするとカホンの表現力が一気に広がる大技です。腰への負担に注意しながら、無理のない範囲で少しずつ試してみてくださいね!

2026/09/02

小口径シンバル11枚叩き比べ!カホンに合うのはどれ?【11~15インチ編】

手持ちの小口径シンバル全11枚を実際に叩き比べる検証企画!

後編となる今回は、少しサイズが大きくなった11インチ〜15インチの小口径シンバルをご紹介します。

定番のエフェクト系から小口径ハイハット、さらには大口径(15")のアコースティック向けシンバルまで、カホンとの相性をリアルに解説していきます!

まずは動画で、各シンバルのサスティン(余韻)や手で叩いた際のアタック感を聴き比べてみてください。


6. Zildjian / ORIENTAL "TRASH" SPLASH 11"

◆メーカー公表の特徴

エキゾチックな東洋風の鳴りと、素早く弾けるようなトラッシー(エフェクト的)なサウンドが特徴。11"という絶妙なサイズ感による豊かな響きも魅力。

★実際に叩いた印象

かなり個性的なトラッシーサウンドですが、実際にカホンと合わせてみると「あれ、これが定番じゃない?」と思ってしまうほど自然に馴染みます。サイズ感・減衰の速さともに、カホンと相性抜群の1枚です!

(※現在は盤面ロゴデザインが変更されています)


7. 小出 / Koide Hand Splash 12"(HD-12SP)

◆メーカー公表の特徴

素手(ハンドパーカッション)で叩くために専用設計された国産ハンドメイドシンバル。極薄(Paper Thin)シェイプによる、繊細で素早いレスポンスが特徴。

★実際に叩いた印象

手持ちのシンバルの中でダントツで一番の極薄!素手で鳴らしきるための力加減(打ち具合)は少しコツが必要で難しいですが、音抜けは文句なしの抜群さ。カホンの音量感を邪魔せずに綺麗に響いてくれます。


8. Paiste / PST X DJ's 45 Hi-Hat 12" (Daru Jones Signature) 

◆メーカー公表の特徴

ダル・ジョーンズとのコラボで生まれた、穴あき(O-Zone)デザインのコンパクトな12"ハイハット。ドライでエッジの効いた高速なアタックが特徴。

★実際に叩いた印象

かなりエッジの効いた個性派。ハイハット単体として使うのはもちろん、10インチクラスの別スプラッシュと組み合わせたりすることで、曲中で最高に映える使いどころが見つかる1枚です。(※現在廃盤)


9. Zildjian / ORIENTAL CHINA TRASH 12"

◆メーカー公表の特徴

スピーディーで鋭いアタックと、オリエンタル特有のレスポンスを誇る小口径チャイナ。小ぶりながら存在感のあるエフェクト効果を発揮。

★実際に叩いた印象

シンバル自体にそこそこ厚みがあるので、正直「素手で叩くにはちょっと厳しい(痛い・鳴らしづらい)」というハードさがあります(笑)。ただし、そこをクリアして鳴らした時のチャイナトラッシュなトーンは最高に心地よいです!

(※現在は盤面ロゴデザインが変更されています)


10. Turkish / Clatter Crash 14"

◆メーカー公表の特徴

伝統的なトルコ製ハンドハンマードの手法で作られたクラッシュ。薄手(Thin)で柔らかいタッチと、落ち着いたヴィンテージテイストの響きが特徴。

★実際に叩いた印象

14インチと大きめですが、非常に極薄でトーンが落ち着いているため、全くウルサくありません。前編で紹介した 「SABIAN HH SPLASH 10"」との相性が抜群で、セットで置くと音色の繋がりがめちゃくちゃ綺麗な空間になります。(※現在廃盤)


11. Zildjian / FX Azuka 15"(El Sonido Multi-Crash)

◆メーカー公表の特徴

ラテンパーカッショニスト向けに開発されたAzukaシリーズ。手叩き(ハンドプレイ)でもしっかりと鳴り切るように設計された特別なクラッシュ。

★実際に叩いた印象

「15インチはさすがにカホンにはデカすぎるでしょ…」と思いきや、叩いてみると意外や意外、すごく合います!手叩き用に計算されているだけあって、広がるような温かい鳴りがカホンの低音を優しく包み込んでくれます。(※現在廃盤)


◆ 全11枚を比較してみて(総括)

前後編にわたって小口径シンバル11枚を叩き比べてみましたが、いかがでしたでしょうか?

☆落ち着いた大人のサウンドなら: SABIAN HH + Turkish Clatter Crash

☆アコースティックでの抜け重視なら: Zildjian  A や 小出 Hand Splash

☆個性を出して攻めるなら: Zildjian ORIENTAL 11" や FX Azuka 15"


サイズや厚みはもちろん、「手で叩いたときのアタック感」や「カホンの音量感と喧嘩しないか」という視点で選ぶと、自分だけのベストセットが見えてきます。ぜひ動画の音を参考に、あなたのカホンセットにぴったりの1枚を探してみてください!


**ご購入を検討されている方へ**

今回ご紹介した11枚のうち、いくつか(Max Staxシリーズ、FX Azuka、PST X DJ's 45 など)は、残念ながら現在**生産終了(廃盤)**となっています。

ですが、中古市場やデッドストック等で見かけることもありますので、「手叩きに合う小口径シンバル」を探している方はぜひチェックしてみてください!

2026/08/26

小口径シンバル11枚叩き比べ!カホンに合うのはどれ?【10インチ編】

アコースティックライブやカホン演奏のセットアップで大活躍する「小口径シンバル」。

今回は、手持ちの小口径シンバル全11枚を実際に叩き比べ!メーカーが公表するサウンドの特徴と、実際の演奏現場で感じた個人的なリアルな印象を交えて解説していきます。

前編となる今回は、定番スプラッシュからちょっと個性的なエフェクト系まで、10インチばかりを5枚ご紹介します!

まずは動画で、それぞれの音の立ち上がりや響き(サスティン)の違いを聴き比べてみてください。


1. Zildjian / A Zildjian Splash 10"

◆メーカー公表の特徴

明るく素早い立ち上がりと、クリアでブライトな高音域が特徴。世界中のドラマーに愛される「スプラッシュシンバルの絶対的スタンダード」。

★実際に叩いた印象

まさに「ザ・スプラッシュ」という王道のサウンド!高音成分(アタックの抜け)がやや強めなので、アンサンブルの中でも埋もれません。ただ、生音重視のアコースティックなライブだと、少し主張が強すぎて目立ちすぎてしまう場面もあるかもしれません。

(※現在は盤面ロゴデザインが変更されています)


2. SABIAN / HH Splash 10"

◆メーカー公表の特徴

熟練の職人によるハンドハンマリングが生み出す、ウォームで味わい深いトーン。熟成されたダークで柔らかい響きが魅力。

★実際に叩いた印象

こちらも大定番ですが、スプラッシュの割にトーンが落ち着いていてすごく品があります。アタックが刺さりすぎず、カホンの生音にもスッと馴染んでくれるので、アコースティックな現場ではめちゃくちゃ使いやすい1枚です!

(※現在はHHXシリーズ等へモデル移行しています)


3. SABIAN / Max Stax Splash 10"(Mike Portnoy Signature)

◆メーカー公表の特徴

マイク・ポートノイ シグネチャーのスタック(重ね)シンバル用に開発されたモデル。素早いレスポンスと短いサスティン、切れ味の鋭さが特徴。

★実際に叩いた印象

かなり個性的!元々は重ねシンバル用ということもあり、サスティンがキュッと短くタイトな音色です。単体で使うとアクセントとしてかなり強烈なので、楽曲のキメや特定の曲調・場面で使うとすごく効果的にハマります。(※現在廃盤)


4. SABIAN / Max Stax China Kang 10"(Mike Portnoy Signature)

◆メーカー公表の特徴

同じくMax Staxシリーズの小口径チャイナ。鋭いアタック感を持ちながらも、10インチならではのコンパクトなサスティンを実現。

★実際に叩いた印象

こちらも個性派ですが、小口径チャイナの割にはトーンがかなり落ち着いていて扱いやすいです。「チャイナのエフェクト感が欲しいけど、爆音になりすぎるのは困る…」というカホンセットに絶妙にマッチします。(※現在廃盤)


5. K.M.K / Splash 10"

◆メーカー公表の特徴

リーズナブルでありながら、オリジナリティあふれるサウンド。チャイナのようなオリエンタルでトラッシーな響きを併せ持つオリジナルの小口径シンバル。

★実際に叩いた印象

形状は通常のスプラッシュなのに、叩くとまるでチャイナシンバルのようなトラッシー(生々しい)な響きがする面白い1枚!楽曲にちょっとしたスパイスや変化をつけたい場面で、ものすごく効果的に機能してくれます。(※現在廃盤)


◆ 前編のまとめ

10インチの5枚だけでも、定番のブライト系からシックなハンドハンマード、さらにはスタック用やトラッシーなエフェクト系まで、かなりキャラクターが分かれましたね!

☆王道&オールマイティに使いたいなら: SABIAN HH や Zildjian A

☆アクセントとして飛び道具的に使うなら: Max Stax シリーズや K.M.K


次回後編では、11~15インチの小口径シンバルをご紹介します!さらにマニアックで面白いシンバルが登場しますので、お楽しみに!

2026/08/19

カホンはドラムの代わりになるか?王道フレーズ叩き比べ #07【タカドコ編】

シリーズ7本目となる今回のテーマフレーズは、ドラムの連打フィルインとして大定番の『タカドコ タカドコ タカドコ パン』です!

まずは動画で、ドラムの手足のコンビネーションと、カホンで再現した高速の打面移動を聴き比べてみてください。


◆ドラムとカホンの手順比較
今回のフレーズの手順と構造を比較してみましょう。

ドラム(手足のコンビネーション):
 R L K K ➔ R L K K ➔ R L K K ➔ [R+L](スネア+シンバル)

カホン(手順の妙):
 R L R R ➔ L L R R ➔ L L R R ➔ [R+L](スラップ+スプラッシュシンバル)

ドラムでは手足コンビネーションで鳴らす押し出し感の強いフレーズを、カホンではダブルストローク(R R / L L)を活かして、フレーズのニュアンス感をカバーしています。

◆解説:前回の応用!「ベース2打➔スラップ」の高速移動

テクニックの核心自体は、前回(#06)で解説した「右手三つ打ち&ベースからの高速移動」の応用です。

1. R L R R

   一般的には R L R L と叩くところですが、続くフレーズへのスムーズな流れを考えてあえてこの手順(R R)にしています。

2. L L R R ➔ L L R R

   続いて、左手・右手のダブルストローク(L L R R)で高音(スラップ)と低音(ベース)を交互にしっかり打ち込みます。

3. [R+L]

   ここが今回のポイントです。連続するダブルストロークの勢いを殺さず、最後の「パン」で右手スラップ+左手スプラッシュシンバルへと一気に着地します。

前回学んだ「打面の反動を使った手首の引き上げ」ができていると、この変形三つ打ちもブレずに叩ききることができます。

◆まとめ

一見すると複雑な手の動きに見えますが、仕組みとしては「前回のテクニックを応用しているだけ」ということがお分かりいただけたかと思います。

ドラムの手足コンビネーションならではの「疾走感と音量の押し出し」を、カホンでどう表現するか―。

その答えの一つが、このダブルストロークを応用した手順です。ぜひ動画の手順テロップと合わせて練習してみてください!