「カホンはドラムの代わりになるか?」をテーマに、ドラマーがお馴染みの定番フレーズを叩き比べる検証企画。
第4回となる今回のテーマフレーズは、こちらもフィルインの超王道、『タッタカジャン』です!
一見シンプルで、ドラムなら初心者の方でも叩きやすいフレーズですが、カホン単体になると「右手の連打」に加えて、「スラップ(高音)からベース(低音)への急激な打面移動」が加わる、やや難易度が高いフレーズとなっています。
まずは動画でその絶妙なニュアンスの違いと、手の動きを聴き比べてみてください!
◆ 今回の検証ポイント
動画はいかがでしたでしょうか?
今回の比較で、特に注目してほしいポイントは以下の3つです。
1.プチドラムセットとカホン単体での『タッタカジャン』の音の分離感の違い
2.前後の繋がりから逆算された「左手(L)スタート」の手順の妙
3.フレーズのニュアンスを限られた打面でどう表現しきるか
動画のテロップでは、今回のメインである『タッタカジャン』の部分に絞って、それぞれ以下の手順で表記しています。
ドラム手順(動画表記): L R L [R+K]
カホン手順(動画表記): L R R [R+L]
ここでお気づきの方もいるかもしれませんが、この『タッタカ』を叩く際、一般的には右手から入る手順(R R Lなど)が普通です。しかし、今回はあえて左手(L)スタートにしています。
なぜ動画でこの手順になっているのか。実はここに、自然な手順を考えた「前後の繋ぎ」の意図があります。
今回の演奏では、全体のフィルインとしてその前に『タカトコ』と叩いており、一連の流れとしては『タカトコタッタカジャン』というフレーズになっています。
前半の『タカトコ』を R L R R という手順で叩き終わるため、その流れを一切殺さずに後半へ繋ぐには、次の『タッタカ』の頭を左手(L)から始動するのが、身体の構造上最も自然で無駄がないのです。
さらにカホン単体の場合、ここから高音(スラップ)から低音(ベース)への瞬発的な打面移動が必要になります。もしここで無理に右手スタートに戻したり、手癖で R R L の手順で叩こうとすると、不自然な手順になり、最後の「ジャン」で腕を振り上げるリカバリーが物理的に間に合わなくなってしまいます。
最初の1打を自然な流れのまま左手(L)に任せる。
動画で表記しているあの短い手順の裏には、後半の最もハイスピードな打面移動を右手(R)の連打に集約させ、次のシンバルへ向かう左手をフリーにするという、一見不自然に見えつつも徹底的に合理化された手順の考え方が隠されています。
…と、今回もシンプルに叩いているように見えるこの右手の動きですが、実はここにも、前回(第3回)お話しした「実速度では早すぎて分かりづらい、ハンドパーカッションならではの手首と肘の連動テクニック」がフル活用されています。
スラップを鳴らした刹那、肘と手首をしなやかに使って一瞬でベースの位置へ滑り込む…。この右手の一瞬の動きは、ハンドパーカッションならではのテクニックです。
前回の『タカトコジャン』、そして今回の『タッタカジャン』。
この2つのフレーズに共通して隠されていた右手の使い方(手首と肘の連動テクニック)については、追って別動画で【スローモーション技術解剖編】としてじっくり種明かししようと思いますので、そちらもぜひお楽しみに!
というわけで、検証シリーズはまだまだ続きます。どうぞお楽しみに!