2026/05/10

MDR-CD900ST修理

定番ヘッドホン、Sony MDR-CD900ST のジャンク品(Rch音出ず)をリペアしました。ドライバーユニットはもちろん、消耗品のイヤーパッド、ウレタンリング、前面レジスタ、ミクロングラス、さらに酸化していたプラグも交換。本体+パーツ代で1万円以下に収まって満足満足。

これまで900STは持っておらず、食わず嫌いなところもあって、ずっと Sony MDR-7506 を愛用していた。けれど、これで赤ラベルと青ラベル、揃い踏み。同じ形をしていても、脳に届く景色はまるで別物。さしずめ Sony MDR-7506 が適度に使い込まれて馴染んだコンガの皮なら、900STは張りたてのハイピッチスネアの皮、といったところか。

この2つの違いは、好き嫌いというより「脳のどこで聴くか」の問題なのかもしれない。7506で全体を俯瞰し、900STで音をパーツ分解してミクロに追い込む。実際に所有して“道具”として向き合うと、苦手だったはずの解像度が最高の武器に変わるのが面白い。

リペアしたCD900STは、イヤーパッドをあえて純正ではなく「もっちり系」に。耳当たりの悪さや低域のスカスカ感が和らいで、なかなかいい感じ。

それはさておき、900STって「鳴らしにくい」と言われるけれど、しっかりドライブさせると僅かな滲みのようなものを感じる。これって私見なんだろうか。

打楽器を鳴らし切ると音が滲むように、機材もドライブの限界で真実を突きつける。大音量が綺麗に鳴ることより、小さな音が繊細に届くことを信じたい。自分の感覚を疑い、静寂の中にあるわずかな違和感を探す。その自問自答が、音の解像度を上げてくれる。

やっぱり好きだな、ヘッドホン。