2025/12/05

【今日の気まぐれオペアンプセット #04】

 C-amp:NJM4556 / V-amp:MUSES02

重すぎず、派手すぎず。安定感とリッチさがちょうど良く同居している。

最近は「石転がし」だけでなく、「球転がし」も合わせて楽しむようになった。

ヘッドホンアンプの仕様上、真空管によるキャラクターの差が大きく出るわけではない。それでも、管を替えると確かに“自分の好み”として感じられる部分がある。そのごくわずかな違いが、また面白い。

興味が湧いて、そういった「好みの違い」がどこから生まれているのかを可視化してみたいと思い、テストトーンをDAWに取り込んで解析してみたりもした。だが、結局のところ、体感としての変化を説明できるような明確な結果は得られなかった。

もちろん、測定環境が万全ではないという要因もあるだろう。

だがそれ以上に、「本当は数値で理解したいわけじゃない」という、自分自身の矛盾に気づく。むしろその矛盾を含めて状況そのものを楽しんでいる自分がいる。

果たして「いい音」とは何だろうか。

平滑化されたフラットさと、個性としてのクセ。その両者の間にある絶妙なポイントは、どこにあるのだろう。

オペアンプや真空管を替え、テストトーンを見比べ、実際に耳で確かめる。その往復作業の中で、音と電気の関係が以前よりもずっと面白く感じられるようになってきた。

まだまだ「理解の旅」は続きそうだ。

そして、その過程こそが、一番の楽しみなのかもしれない。

2025/12/01

【割礼】大阪・名古屋ツアー2025

【割礼】ライブ、11/29(土)梅田ムジカジャポニカ、11/30(日)今池TOKUZOにご来場いただき、ありがとうございました。

大阪と名古屋では初となるツインドラム編成(東京ではすでに数回披露)。割礼の世界観にいっそう厚みと広がりが加わり、パーカッション編成とはまた違った彩りのステージになったと実感しました。


今回も展開と彩りが一体となり、フレーズやアレンジが頭の中の情景とぴたりと重なる瞬間がいくつもあって、本当にいい夜になりました。

●今池 得三
●梅田 ムジカジャポニカ

2025/11/27

0dB HyCAAを解像度重視でチューンしてみた

たかじん氏設計のヘッドホンアンプ「0dB HyCAA」。

今回は、解像度方向に振った“モニター寄り HyCAA” を作ってみたくて、各部を調整してみました。

まず、出力抵抗を現行の100Ωから47Ωへ変更。

さらに、真空管カソードバイパスとデカップリング用の電解コンデンサを、アルミ電解から導電性高分子固形電解へアップグレード。

高周波ノイズ対策として、基板裏面からフィルムコンデンサを追加するなど、細部までしっかり手を入れています。

オペアンプは C-amp:OPA1656/V-amp:OPA1688 を採用。

高解像かつ駆動力のある組み合わせで、キレよく爽快。それでいて後味はすっきり自然。まるで「よく冷えた強炭酸の無糖ソーダ」のような質感です。

また、各コンデンサの高さを揃えたくて、出力カップリングを低背タイプにしたところ、真空管の存在感がぐっと増し、見た目のバランスも向上。

視覚的にも無味乾燥なモニター感を出したくて、LEDは電球色から白色に変更しました。

結果として、背景が静かで解像度が高く、輪郭がシャープ。“ワンランク上のオーディオインターフェース級”の質感に仕上がったと感じています。

次はどこを触ろうか…そんな楽しみがまたひとつ増えました。

2025/11/22

【本日の気まぐれオペアンプコンボ #03】

 V-amp:OPA2134 C-amp:MUSES01

しっとり濃密。

派手さはないけれど、深く落ち着く夜向きのバランス。

DACチップにも音の傾向があるそうだけど、さすがに自分の使っているDACチップを交換して試すなんてことはできない。でも、もしその違いを体感できるなら、試してみたいというのが本音だ。

一方で、オーディオインターフェースの電源回路やアナログ回路を触ってみると、明らかに音が変わる。そうなると、DACチップそのものよりも、回路構成に注目したほうが楽しそうだと感じている。

嗜好品というのは、クオリティが上がったときは気づきにくいのに、下がったときはすぐ分かるものだ。食べ物や身につけるものと同じように扱うのは少し強引かもしれないけれど、オペアンプをその日の気分で付け替えて聴いてみると、「あれ?なんだか物足りない…」と感じる組み合わせが確かにある。

もちろん、低品質のオペアンプを使っているわけではないので、音質が下がったというのとも違う。ただ、どうやら自分の好みに合う“音の組み合わせ”は存在していて、それを探す楽しさがあるのだと思う。