C-amp:NJM4556 / V-amp:MUSES02
重すぎず、派手すぎず。安定感とリッチさがちょうど良く同居している。
最近は「石転がし」だけでなく、「球転がし」も合わせて楽しむようになった。
ヘッドホンアンプの仕様上、真空管によるキャラクターの差が大きく出るわけではない。それでも、管を替えると確かに“自分の好み”として感じられる部分がある。そのごくわずかな違いが、また面白い。
興味が湧いて、そういった「好みの違い」がどこから生まれているのかを可視化してみたいと思い、テストトーンをDAWに取り込んで解析してみたりもした。だが、結局のところ、体感としての変化を説明できるような明確な結果は得られなかった。
もちろん、測定環境が万全ではないという要因もあるだろう。
だがそれ以上に、「本当は数値で理解したいわけじゃない」という、自分自身の矛盾に気づく。むしろその矛盾を含めて状況そのものを楽しんでいる自分がいる。
果たして「いい音」とは何だろうか。
平滑化されたフラットさと、個性としてのクセ。その両者の間にある絶妙なポイントは、どこにあるのだろう。
オペアンプや真空管を替え、テストトーンを見比べ、実際に耳で確かめる。その往復作業の中で、音と電気の関係が以前よりもずっと面白く感じられるようになってきた。
まだまだ「理解の旅」は続きそうだ。
そして、その過程こそが、一番の楽しみなのかもしれない。








