2025/07/26

改造US-1×2、測定してみました。

改造を施したTASCAM製オーディオインターフェース「US-1×2」。手応えとしてはなかなかの高音質に仕上がったと思っていたのですが、「実際どうなんだろう?」ということで、ヘッドホン出力の性能を**RMAA(RightMark Audio Analyzer)**というソフトを使って測定してみました。

【測定結果(実測)】

オペアンプ本来のポテンシャルがしっかり発揮されており、加えて高品質なコンデンサとの相乗効果もあって、全体的に非常にバランスの良い結果となりました。特に歪み率や周波数特性は、想定以上に優秀な数値を記録。改造後の“推定性能”と比べても、この実測結果には思わずテンションが上がりました。

【推定値との比較】

ノイズレベルやダイナミックレンジに関しては、USB電源からのノイズや測定環境の影響が出たのか、若干推定値には及びませんでしたが、それでも充分に優れた結果といえるでしょう。

計算上ではある程度の性能向上は見込んでいましたが、それを上回る実測値を目の当たりにしたときのワクワク感といったら…!
エントリーモデルのインターフェースが、まさかここまでのクオリティになるとは。今回の測定結果で、それを客観的に証明できたのは大きな収穫でした。

これはもう、完全に「オーディオ改造沼」の入り口かもしれません…笑。


☆TASCAM US-1×2 改造の詳細はこちら ↓

オーディオインターフェース改造記 Vol.2

TASCAM US-1×2 改造まとめ

2025/07/16

TASCAM US-1×2 改造まとめ

TASCAM製オーディオインターフェース US-1×2、予定していた改造をすべて終えました。

マイク入力部、ヘッドホン出力部、そして電源部。
あくまで計算上のスペックですが、エントリークラスの機材でもここまで手を入れると、こんな音になるのかと実感できて、とても興味深い体験でした。

良くも悪くも、一言で言えば「完成された透明感」。基準としては申し分ないけれど、時には少し面白みに欠けると感じることもあります。
「これが正解なんだ」という人もいれば、「でも、もっと味が欲しいんだよな」という人もいるでしょう。

自分なりの答えは、これからじっくり使いながら見つけていこうと思います。

参考までに、交換したパーツとスペックの比較表も載せておきます。

2025/07/11

お試し三連打


ひとつ目は、愛用してるプチドラム三点セットに“もう1声”足したくて。どうせならタムっぽいニュアンスで、しかも抜けが欲しいと思い、シングルヘッドのアレックス・アクーニャ・タンボリートをチョイス。サブスネアみたいなザクっとしたアタックも出せるし、タムのような余韻もあって面白い!このドラムセット、バランスもいいので、そろそろ何かの本番で使ってみようかな。

ふたつ目は、年代物のコンプレッサー、Spectra Sonics MODEL 610をお借りして録音に投入。これがもう、音の輪郭がグッと前に出てきて、「ヤバっ!」と口に出るくらいのパンチ感。しかも中身のヴィンテージ回路を覗かせてもらえるなんて、音の深みに触れた気がする。

みっつ目は、改造したオーディオインターフェース。ヘッドホン出力のオペアンプも抵抗も電源も、全部モリモリにチューン。理屈の上では某ハイスペック機を超えてるけど、重要なのは叩いた音がどう聴こえるか。改造前の窮屈な鳴りが、スコンと抜けてのびやかに響くようになって、思わずニヤリ。

音に遊ばれた、いい一日でした。

2025/07/03

オーディオインターフェース改造記 Vol.2

 ある日、ハードオフのジャンク棚で、TASCAM US-1×2を発見。

「右チャンネルのラインアウトとヘッドホンアウトから音が出ない」とのことでしたが、自分で直せそうだな、と。

帰宅後、まずはジャックをアルコールで丁寧に洗浄してみたところ──

見事に復活。音が鳴った瞬間、思わずニヤけてしまいました。

もともとこのUS-1×2は、エントリーモデルながらも旭化成AKM4384という、なかなか良いDACを搭載しているんです。ただ、オペアンプや出力抵抗、そして電源周りの弱点から、そのポテンシャルが活かしきれていないのが惜しいところ。

「じゃあこの個体、本気を出したらどこまで行けるのか?」──そんな遊び心と探究心から、今回のチューンアップが始まりました。

ステップ①:オペアンプ交換 ─ 音に厚みを加える

まず着手したのは、ヘッドホンアウト直下のオペアンプ交換。最初はウォームでリッチな音色を狙って、厚みのある音のオペアンプにしてみました。確かに“音楽を聴く喜び”は増しましたが、求めていた「輪郭のキレ」や「鮮烈さ」がもう一歩足りず。

最終的には、USBバスパワー環境でも安定して駆動し、解像度とスピード感を両立できる実力派オペアンプを採用。ここでようやく、音の立体感と押し出しがぐっと前に出てくるようになりました。

ステップ②:出力抵抗の見直し ─ 抜けの良さを狙う

次に気になったのが、ヘッドホン出力の抵抗値。ちょっと高めの設定だったので、抵抗を約1/3の値に交換。これにより、特に高インピーダンスのヘッドホンでの音抜けとドライブ感が大幅に改善。音がグイッと前に出てくる感覚が気持ちいい。

ステップ③:電解コンデンサ交換 ─ 音の下地を整える

続いては、オペアンプ周辺のコンデンサたち。ここにはオーディオグレードの高品質品を奢ってやりました。音の厚みと空気感を支える重要なパートなので、妥協はナシ。やや外径が大きくなってしまったため、一部のネジ固定ができず…でもまぁ、こういうのもDIYの味ですね(笑)。

ステップ④:USB電源の強化 ─ 音の土台をガッチリ

そして最後は、USBバスパワーの宿命とも言える“不安定な電源”へのアプローチ。元のコンデンサを高性能のものに交換しつつ、並列でさらに容量を追加。加えて高周波ノイズ対策も施しました。

表だけでは足りず、基板裏面まで使うことに…でもこの一手で、電源ノイズの影響をグッと抑え込み、低域の沈み込みと空間の見通しが劇的に改善されました。


改造を終えて、いざ試聴──

輪郭の明瞭さ、静寂の中に浮かび上がる音像、そしてボリュームを絞っても痩せない芯のある音。思わず「うわ、こんなに鳴ってたのか」と呟いてしまうくらい、音楽の楽しさが何倍にも広がりました。

特に高インピーダンスのヘッドホンを愛用しているミュージシャンやエンジニアには、この手応えは嬉しいはず。改造後の音質は、近いモデルで言えばScarlett Solo Gen4あたりが比較対象になるかもしれません。

ちなみに、ついでに味気なかったボリュームノブもカラフルなものに換装。無骨な筐体にポップなアクセントを加えることで、「音も見た目も楽しむ」っていう、ちょっとした遊び心もプラスしてみました。

これは単なる音質向上じゃなくて、“楽しく音楽を鳴らす装置”への変身。US-1×2、まだまだ現役で使えるぞ…と思わせてくれる、大満足のモディファイとなりました。